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軽率な選択をしてしまった結末/賃貸住宅購入の厳しい現実


こんにちは、松井敬二です。

今回はトラブルの多い
賃貸住宅購入の厳しい現実について
書かせて頂きます。

相続税対策で
賃貸住宅を建てる方が
結構多いのですが、
この対策は
両刃の剣なのです!

花火150817

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軽率な選択をしてしまった結末/賃貸住宅購入の厳しい現実

世に言う節税策の中でも
大変厳しい結末となる可能性が
結構あるのが、
賃貸住宅の取得だと感じております。

前回までお話した生前贈与は、
財産を貰うという恩恵を受けた
家族、親族の方々がいますので、
結果はどうであれ、
少なくとも
それなりの意味があるのではないかと思います。

しかし、今回お話しする
賃貸住宅を取得するという策は、
長年にわたって築き上げた財産を
失ってしまうこともある策なのです。

もちろん、
すべてがそうなると言う訳ではなく
その危険性が結構あるということなのですが。

特に、亡くなった方はもちろん
その相続人や家族の方で
不動産賃貸経営の経験がない場合には、
相当の覚悟が必要ではないかと
個人的には思っております。

今回の事例は、
不動産賃貸の経験がない家族が陥ってしまった
厳しい現実の話です。

郊外に自宅を構え、
自宅の地続きに300坪程度の
空き地を有していたこの家族は、
会社員の夫と専業主婦の妻、
それと既に勤め人である長男及び二男の
4人暮らしでした。

そんな会社員の夫が定年退職を迎え
家族と退職祝いをすることになり、
その席で長男から次のような提案が出されたのです。

・これからは、母と二人で第二の楽しい人生を楽しん欲しい

・我が家は資産家とまでは言えないが相続税のことが気になる。

・相続税対策のためにも300坪の空き地に賃貸住宅を建てたらどうか?

・空き地のままだと相続税が高くなるらしい。

・空き地に賃貸住宅を建てれば相続税が低くなるらしい。

・賃貸住宅は家賃収入も得られるから老後の生活も安泰

有り難い提案でしたが、
賃貸住宅を建てるほどの現預金はないため、
とても無理だと思ったそうです。

すると長男は
・建築資金を借りるのは、それ程難しくはないらしい。
・入居者がいるかは不安であるが、建築業者の家賃保証があるらしい。

この条件に父親も母親も心を動かされました。

このようなやり取りをした数日後、
父親がある住宅メーカーの
「30年一括借り上げ」の
新聞広告を目にしたのです。

どのようなシステムなのか、
早速資料請求を行い、
検討を始めることとしたのです。

ほどなく住宅メーカーの営業マンが
自宅を訪問して来ました。

夫婦揃って営業マンの話を聞き、
建築資金も借りられるし、
その返済は家賃の一部で返せる。

30年もの期間、
家賃を保証してくれるんだから
何ら心配はない。

と満足し、契約することに決めたのです。

そして賃貸住宅は完成し、
不動産オーナーとしての
第二の人生がスタートしたのです。

賃貸住宅をオープンはしたものの
入居者はなかなか集まりませんでした。
しかし家賃保証があったので
問題はありませんでした。

そして数年後には
ほぼ満室状態になり
まさに不労所得による
バラ色の第二の人生を謳歌していました。

それから数年が経ちました。
徐々に空室が目立つようになってきました。
しかし家賃保証があったため、
何の不安もない悠々自適な生活が
続いていました。

そして当初から
5年近い月日が流れたある日
住宅メーカーの営業マンが
訪問して来ました。

「保証する家賃を下げたい」
と、住宅メーカーの営業マンは切り出しました。

家賃は30年保証なのだから
それには応じられないと
営業マンに返事をしました。

そこで営業マンの答えを聞いて
父親は驚愕しました。

営業マンが言ったことは
・貸付を始めて5年が経つので家賃の見直しを行う。
 これは契約書に書かれている。

・現在の状況は空室が多いので家賃を下げて対応したい。

・当然保証家賃も下げさせて頂くことになる。

・家賃保証の金額を見直すだけで、契約通り家賃は保証する。

・今後は契約に基づき、2年毎に家賃見直しを行う。

契約書を確認すると、確かにその条項はありました。
重要事項説明書に捺印もしていました。

父親の頭をよぎったのはローンの返済です。
しかし今回の家賃の下げ幅なら、
次の2年後までに満室になっていれば
何とかなると思いました。

そして、それから2年が経過しましたが、
入居者は逆に減っている状況でした。

それもそのはず、
実は、この地域には最近賃貸住宅が増え、
新たな入居者は新築を選ぶようになっていました。

この地域の人たちは
この家族と同じようなことを考え、
実行しているようでした。

しかし、そのような背景に関わらず、
住宅メーカーは「家賃の値下げ」を進言して来ました。

しかし今回の下げ幅は、
ローンの返済に支障をきたす金額です。。
ここで初めて、
「30年一括借り上げの家賃保証」
というシステムの本質が理解できた気がしたのです。

つまり、ローンの返済計画は、
貸付当初の保証される家賃収入が
基準となっていたので、
その保証される家賃が下げられれば、
おのずとローンの返済計画に
支障が出てしまうのです。

父親は、このままではローンの返済に
追われることになると感じました。

妻と話し合いをした結果、
とりあえずローンを完済させることとし、
預貯金と
自宅を売却した金額を
返済に充当することにしました。

自宅を売却した後は、
賃貸住宅の空室の部屋に住み、
唯一の財産となった
賃貸住宅の家賃収入と年金で、
なんとか生活の維持は大丈夫でした。

夢見た悠々自適の
バラ色の生活は
5年で終わりました。

その後は夫婦で質素な生活を送って行きました。

このご家族は
結果的には自宅を売却して賃貸住宅を建て、
満室にはならないものの
家賃収入を得る生活を
選んだことになったのです。

賃貸住宅を手放すことがなかっただけ
この夫婦は恵まれていたとも言えます。

建てた賃貸住宅も手放す羽目になり
借入金のみが残ってしまうという
事例もあるのです。

賃貸住宅経営もビジネスです。
思い描いた青写真通り行かないというのは
よくある話しなのです。

もちろん、人気のある場所に
魅力ある賃貸住宅を建てて
空き地の相続税対策としても、
安定収入の確保という面からも
とても上手くいっている事例もあります。

この事例から学ぶべきことは、
賃貸住宅経営という事業を
甘くみてはいけない
ということです。

いろいろと好条件がそろわないと
難しい側面があるということです。

サブリースと呼ばれるこの契約は
賃貸住宅経営という事業を
ほとんど他人任せにしてしまいます。

他人任せのビジネスが
上手くいかないことが多いのは
容易に想像出来るのではないでしょうか?

そして、
耳触りのよい情報に惑わされて、
自分に有利な面だけを見て
決断はしないことです。

「この場所で、
このような賃貸住宅を建てた場合、
入居者の確保、キープが出来るか」
を、信頼出来る専門家に確認するのは
むしろ当然のことではないでしょうか?

そして多額の契約をする際は
契約書を熟読して理解、納得することも
必要ですね。

信頼できる第三者、専門家の意見を
聞くことも必要です。

誰も失敗の責任は取ってくれませんから。

税理士 松井敬ニ

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2015年8月17日


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