生命保険金(死亡保険金)の請求

被保険者(保険の対象となっていた方)が亡くなった場合、死亡保険金を請求することになります。
この、保険の請求ですが、保険会社によって異なる点もあるようですので、まずは、加入している保険会社に連絡し手続きを進めて頂くことが良いですね。

そのためにも、加入している保険の保険証券を確認して頂くことが大切です。
なお、死亡保険金は請求しない限り、保険会社が自動的に死亡保険金を支払うという制度ではありませんのでご注意ください。
ちなみに、死亡保険金の保険請求期限は、3年を経過すると請求することはできません。

ところで、保険に入っていることは知っているけど保険証券がどこにあるのか分からない。
保険証券が見つからないので受取人が誰だか分からない。
なかには、保険に入っていたかどうかも分からないといったケースがあります。
そんな時は次の方法で探してみてください。保険に関する連絡ハガキなどで探してみてはどうでしょうか。

関連書類を探してみる

「ご契約内容のお知らせ」や「生命保険料控除証明書」といった保険会社からの連絡書類など預金通帳から保険料の引き落としがあるかどうかを確認してみる。
他には、保険会社のカレンダーや保険会社のネーム入りのタオルやボールペンなどの文房具類などがあれば手掛かりになるかもしれません。

保険会社への連絡について

・保険証券が見つかった場合は、受取人が分かりますのでその受取人が直接手続きを開始すれば良いと思います。

・保険証券が見つからない場合は、判明した保険会社に問い合わせをして頂き、その後の手続き方法を聞いて手続きを進めてください。

肝心なことは、死亡保険金の手続きは常に「受取人」が行うことになっているということです。

なお、台風、地震などの災害などによって保険契約などの書類が失われ、保険請求が困難な場合には「災害地域生保契約照会制度」というのがあるようですので覚えておくといいですね。
ちなみに、この制度は、生命保険協会加盟会社全社に照会することが可能とのことです。

「災害地域生保契約照会制度」
一般社団法人生命保険協会「災害地域生保契約照会センター」

死亡保険金を受け取るまでの流れ

死亡保険金を受け取るための保険事由の発生
保険証券の確認(受取人の確認)
保険会社への請求
保険会社からの保険金の支払可否判断
死亡保険金の受取
保険請求の時効

【死亡保険金を受け取るための保険事由の発生】

死亡保険金の保険事由の発生とは、被保険者(保険の対象となっていた方)が死亡した場合です。
したがって、亡くなった方が被保険者ではなく、保険料の負担者とか契約者であるだけでは死亡保険金は支払われません。

ちなみに、保険請求できる原因の「死亡」とは、死亡届を提出している場合のことをいいます。
したがって、災害などによる「行方不明」などの生死不明の場合には、死亡した訳ではありませんので保険金請求の対象とはならないのです。

ところで、死亡届は、本来遺体を確認したうえで死亡診断書(死体検案書)を作成し届けるものです。
しかし、災害などによって遺体の確認が困難な場合があります。

そこで、災害などによる行方不明者の場合は、災害地の行政機関から「死亡」を証明する書類を発行するケースがあります。
2014年9月の御嶽山の噴火による災害時もこの例によるものです。
この時は、家族の意向に応じて長野県が「死亡」を証明する書類を発行したようです。

しかし、家族にとって亡くなったことの証明を依頼することは大変つらい選択となることでしょう。
ただ、このままにしておくと残された家族にとっても不都合が生じるケースが多々生じるのも事実です。
特に、家族の柱となっていた方の場合は顕著です。

【保険証券の確認(受取人の確認)】

死亡保険金を受け取る時に最も重要なものが「保険証券」です。
そのためには、まず保険証券がどこにあるのかを知らなければ始まりません。

保険証券には、保険会社はもちろん、保険金額や被保険者、受取人が記載されています。
ここで大切なことは、亡くなった方が被保険者であるかどうかです。
亡くなった方が被保険者ではない場合には死亡保険金の請求をすることができないからです。
次に、受取人は誰なのかということです。
保険金の請求手続きをすることができるのが保険金の受取人だけだからです。

【保険会社への請求】

保険会社の担当者などが分かっている方は、まず、その担当者に連絡して頂いて手続きを進められた方が良いでしょうね。
そうではない方は、加入している保険会社に問い合わせを頂ければと思います。

ちなみに通常必要と思われる書類は次のとおりです。

①保険証券
②保険金の請求書
③被保険者の死亡記載のある戸籍謄本または住民票
④受取人の戸籍抄本
⑤受取人の印鑑証明
⑥死亡診断書(死体検案書)

これ以外にも必要書類がある場合もありますので、加入している保険会社に十分確認の上手続きを進めてください。

【保険会社からの保険金の支払可否判断】

保険会社において所定の手続き書類が揃いましたら、支払可否判断が行われます。
通常の場合は、速やかに支払の判断となるのですが、事件、事故等の場合には日数を要する、あるいは保険内容などから支払われないといったケースもあるようですね。

なお、死亡保険金の支払いは、通常のケースですと、すべての手続き書類が保険会社に到達後、5営業日で支払われるようです。
ちなみにこの「5営業日」というのは、土日祝日を除く営業日(平日)の日数のことです。

【死亡保険金の受取】

死亡保険金は、手続きが完了すれば入金されることになります。
そして、この死亡保険金は受取人に支払われます。
受取人以外の方への支払はされません。

受け取り方法ですが、「一時金」あるいは「年金」といった方法があります。
保険内容によっても異なりますので、保険会社の方とご相談ください。

なお、死亡保険金の支払いの際に、契約者貸し付けによる借入残がある場合などは、その借入残が差し引かれます。

【保険請求の時効】

死亡保険金を請求できると知っていながら、忘れてしまうことは殆どないとは思いますが、保険請求の時効は「支払事由が発生した翌日から3年を経過した場合」と規定されています。

3年もあれば大丈夫と思うのでしょうが、そもそも加入していたかどうかが分からない場合などは十分とはいえないかもしれません。
ただ、救いというか保険料は口座引き落としでしょうから、亡くなった方の口座を見ればわかると思います。
また、仮に引き落とし口座が分からなくても、その口座はいずれ残高不足となり、引き落としが不能になるでしょうから保険会社から支払に関する連絡で判明することもあるかもしれませんね。