相続税 節税対策の落とし穴

相続しかやらない税理士 松井敬二です。

 
最近、相続税に関する様々な節税策が新聞、雑誌、マスコミなどに取り上げられ、話題になっております。

それもそのはず、平成27年の改正で、相続税がかかる方が大幅に増えたからです。
相続税がかからない金額(基礎控除)の引下げが行われたのです。

相続税は今まで一般の人たちにはほとんど無縁な税でしたが、この改正により、無縁とは言っていられなくなってきたのです。

それにしてもこの改正は、長年、徴収側で相続税に携わってきた私でさえ、さすがに理解しがたいものです。
 
とは言いましても、法律ですので、残念ながら無視することはできません。
ならば、少しでも納税額を減らしたいと考えるのは至極当然ですし、その点に全く異論はありません。
 
だからこそ、節税対策が世を賑わしていると思います。
しかしこの世を賑わせている節税対策、その対策方法を誤ると思わぬ落とし穴にはまることになるのです。

たとえば生前贈与。
生前贈与は親の財産を子や孫などに贈与して、財産を減らすという簡単な方法です。
代表的な節税対策の一つと言われております。

100の財産から40の生前贈与を行えば、残った財産は60となります。
その結果、100の財産に係る税金より60に係る税金の方が負担が軽くお得になる訳です。
  
では、どこに落とし穴がるのでしょうか?
 
注意すべきは贈与を受ける側の子供たち全員が平等で同額ではないことが多い点です。

たとえば、子供が3人いる親御さん。
 
それぞれ孫のいる子、結婚しているが孫はいない子、独身の子だとします。
子供3人にだけ贈与をしているのならさほど問題はないと思います。
  
しかし、贈与の目的が節税対策の場合、
子供3人だけでは大きな効果が得られないということで、
孫や子供の連れ合いなどにも贈与したとします。
  
その結果、節税効果はそれなりに発揮されます。
 
ところが、遺産分割の話になったとたん、暗黙の了解事項であった生前贈与に異論を唱えるものが出ることが多いのです。

何故だか分かりますか?
本来自分が貰える財産が、生前贈与によって減らされたことに気づいてしまうのです。
  
その結果、まさに相続争いとなり、相続が争族となってしまうのです。
兄弟姉妹の関係が悪化し疎遠となるなどはよくある話しで、
裁判沙汰になることさえあるのです。

相続税を減らすことだけを考えて安易な相続税対策を行うと、こういうことになってしまうことが多いのです。
このようなアドバイスをするコンサルタントや税理士が多いのも問題です。

税金を少しでも抑えたい気持ちはとてもよく分かります。
しかし、その後に発生する状況やトラブルまで十分に検討した上での節税対応が必要なのです。

相続を熟知した専門家は大変少ないのが現状です。
肩書や人柄だけで判断してアドバイスに従ってしまうことは要注意です!

 
近日中に45分にわたる相続に関する動画をお届け出来る予定です。
ご期待下さい。
 
 
 

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