相続問題で何が一番重要か?

相続専門の税理士 松井敬二です。

梅160207

皆さんは、相続問題で何が一番重要だと思っておりますか?

私達、相続問題の専門家として思うことは、
いかに相続争いをせずに
速やかに遺産分割ができるかという点が
一番重要であると考えています。

では、なぜそのことが重要なのでしょうか?

巷の情報を見ますと、
あの手この手の「対策案」なるものを打ち出し、
如何に納税額を少なくするかに集中している傾向があります。

相続問題というのは
相続人全員のある程度の納得、理解が得られる状況にならないと
スムーズにいかないものなのです。

相続問題は、殆どの場合、相続人が数人おります。
特定の策が全員を満足させることなど出来るはずもないのです。

たとえば、相続人に配偶者がいる場合で
納税額だけを減らしたいなら
配偶者がより多く相続すれば
その目的は達成できます。

また、亡くなった方の自宅に同居している方がいる場合は、
その方が自宅を相続すれば
特例により評価額を大幅に減少させることができます。

しかし、そうすると他の相続人の相続分に影響し、
納得できるかどうかという問題が生じます。

そもそも、相続紛争の根幹ともいえる根深い原因は、
相続人同士がお互いに自分の取り分を
どのように確保するかということに
重点を置いている場合が非常に多いのです。

最も多いケースは、
生前、他の相続人が、
親からどの程度の恩恵を受けていたのかということの
詮索の応酬から始まるのです。

したがいまして、
「生前贈与」という対策案は、
一見、財産を減らす方法としてはお
手軽感満載のようですが、
実のところ、
問題だらけなのです。

一例を紹介します。
亡くなった方には子供が三人おりました。

一人目の子には夫と子供(孫)が2人おりました。

二人目の子は独身で、

三人目の子には夫と子供(孫)が1人おりました。

そんな状況の中でなんとなく
「生前贈与」と言われる対策をしたのですが、
当然のことながら3人の子供達に均等に贈与することなど
出来ていませんでした。

その結果、相続開始直後から

「私は、親から大して贈与など受けていない」

「うちの子(孫)は何も貰っていない」

といった不満から始まり

遺産分割は泥沼状態。

解決の糸口が見つからない結果となりました。

結局、この相続人達は、調停にまで及び
過去の贈与分もすべて含めて均等に分けたのです。

相続問題は人それぞれです。
税金の負担を少しでも軽くしたいという気持ちも理解できます。

しかし、目先の耳触り良い情報に惑わされないよう
元気なうちに十分考え、
後日、分割がスムーズにいくようにしておきたいですね。
 

税理士 松井敬二

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