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ブログ : 2015年8月

軽率な選択をしてしまった結末/賃貸住宅購入の厳しい現実


こんにちは、松井敬二です。

今回はトラブルの多い
賃貸住宅購入の厳しい現実について
書かせて頂きます。

相続税対策で
賃貸住宅を建てる方が
結構多いのですが、
この対策は
両刃の剣なのです!

花火150817

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軽率な選択をしてしまった結末/賃貸住宅購入の厳しい現実

世に言う節税策の中でも
大変厳しい結末となる可能性が
結構あるのが、
賃貸住宅の取得だと感じております。

前回までお話した生前贈与は、
財産を貰うという恩恵を受けた
家族、親族の方々がいますので、
結果はどうであれ、
少なくとも
それなりの意味があるのではないかと思います。

しかし、今回お話しする
賃貸住宅を取得するという策は、
長年にわたって築き上げた財産を
失ってしまうこともある策なのです。

もちろん、
すべてがそうなると言う訳ではなく
その危険性が結構あるということなのですが。

特に、亡くなった方はもちろん
その相続人や家族の方で
不動産賃貸経営の経験がない場合には、
相当の覚悟が必要ではないかと
個人的には思っております。

今回の事例は、
不動産賃貸の経験がない家族が陥ってしまった
厳しい現実の話です。

郊外に自宅を構え、
自宅の地続きに300坪程度の
空き地を有していたこの家族は、
会社員の夫と専業主婦の妻、
それと既に勤め人である長男及び二男の
4人暮らしでした。

そんな会社員の夫が定年退職を迎え
家族と退職祝いをすることになり、
その席で長男から次のような提案が出されたのです。

 

・これからは、母と二人で第二の楽しい人生を楽しん欲しい

・我が家は資産家とまでは言えないが相続税のことが気になる。

・相続税対策のためにも300坪の空き地に賃貸住宅を建てたらどうか?

・空き地のままだと相続税が高くなるらしい。

・空き地に賃貸住宅を建てれば相続税が低くなるらしい。

・賃貸住宅は家賃収入も得られるから老後の生活も安泰

有り難い提案でしたが、
賃貸住宅を建てるほどの現預金はないため、
とても無理だと思ったそうです。

すると長男は
・建築資金を借りるのは、それ程難しくはないらしい。
・入居者がいるかは不安であるが、建築業者の家賃保証があるらしい。

この条件に父親も母親も心を動かされました。

このようなやり取りをした数日後、
父親がある住宅メーカーの
「30年一括借り上げ」の
新聞広告を目にしたのです。

どのようなシステムなのか、
早速資料請求を行い、
検討を始めることとしたのです。

ほどなく住宅メーカーの営業マンが
自宅を訪問して来ました。

夫婦揃って営業マンの話を聞き、
建築資金も借りられるし、
その返済は家賃の一部で返せる。

30年もの期間、
家賃を保証してくれるんだから
何ら心配はない。

と満足し、契約することに決めたのです。

そして賃貸住宅は完成し、
不動産オーナーとしての
第二の人生がスタートしたのです。

賃貸住宅をオープンはしたものの
入居者はなかなか集まりませんでした。
しかし家賃保証があったので
問題はありませんでした。

そして数年後には
ほぼ満室状態になり
まさに不労所得による
バラ色の第二の人生を謳歌していました。

それから数年が経ちました。
徐々に空室が目立つようになってきました。
しかし家賃保証があったため、
何の不安もない悠々自適な生活が
続いていました。

そして当初から
5年近い月日が流れたある日
住宅メーカーの営業マンが
訪問して来ました。

「保証する家賃を下げたい」
と、住宅メーカーの営業マンは切り出しました。

家賃は30年保証なのだから
それには応じられないと
営業マンに返事をしました。

そこで営業マンの答えを聞いて
父親は驚愕しました。

営業マンが言ったことは
・貸付を始めて5年が経つので家賃の見直しを行う。
 これは契約書に書かれている。

・現在の状況は空室が多いので家賃を下げて対応したい。

・当然保証家賃も下げさせて頂くことになる。

・家賃保証の金額を見直すだけで、契約通り家賃は保証する。

・今後は契約に基づき、2年毎に家賃見直しを行う。

 

契約書を確認すると、確かにその条項はありました。
重要事項説明書に捺印もしていました。

父親の頭をよぎったのはローンの返済です。
しかし今回の家賃の下げ幅なら、
次の2年後までに満室になっていれば
何とかなると思いました。

そして、それから2年が経過しましたが、
入居者は逆に減っている状況でした。

それもそのはず、
実は、この地域には最近賃貸住宅が増え、
新たな入居者は新築を選ぶようになっていました。

この地域の人たちは
この家族と同じようなことを考え、
実行しているようでした。

しかし、そのような背景に関わらず、
住宅メーカーは「家賃の値下げ」を進言して来ました。

しかし今回の下げ幅は、
ローンの返済に支障をきたす金額です。。
ここで初めて、
「30年一括借り上げの家賃保証」
というシステムの本質が理解できた気がしたのです。

つまり、ローンの返済計画は、
貸付当初の保証される家賃収入が
基準となっていたので、
その保証される家賃が下げられれば、
おのずとローンの返済計画に
支障が出てしまうのです。

父親は、このままではローンの返済に
追われることになると感じました。

妻と話し合いをした結果、
とりあえずローンを完済させることとし、
預貯金と
自宅を売却した金額を
返済に充当することにしました。

自宅を売却した後は、
賃貸住宅の空室の部屋に住み、
唯一の財産となった
賃貸住宅の家賃収入と年金で、
なんとか生活の維持は大丈夫でした。

夢見た悠々自適の
バラ色の生活は
5年で終わりました。

その後は夫婦で質素な生活を送って行きました。

このご家族は
結果的には自宅を売却して賃貸住宅を建て、
満室にはならないものの
家賃収入を得る生活を
選んだことになったのです。

賃貸住宅を手放すことがなかっただけ
この夫婦は恵まれていたとも言えます。

建てた賃貸住宅も手放す羽目になり
借入金のみが残ってしまうという
事例もあるのです。

賃貸住宅経営もビジネスです。
思い描いた青写真通り行かないというのは
よくある話しなのです。

もちろん、人気のある場所に
魅力ある賃貸住宅を建てて
空き地の相続税対策としても、
安定収入の確保という面からも
とても上手くいっている事例もあります。

この事例から学ぶべきことは、
賃貸住宅経営という事業を
甘くみてはいけない
ということです。

いろいろと好条件がそろわないと
難しい側面があるということです。

サブリースと呼ばれるこの契約は
賃貸住宅経営という事業を
ほとんど他人任せにしてしまいます。

他人任せのビジネスが
上手くいかないことが多いのは
容易に想像出来るのではないでしょうか?

そして、
耳触りのよい情報に惑わされて、
自分に有利な面だけを見て
決断はしないことです。

「この場所で、
このような賃貸住宅を建てた場合、
入居者の確保、キープが出来るか」
を、信頼出来る専門家に確認するのは
むしろ当然のことではないでしょうか?

そして多額の契約をする際は
契約書を熟読して理解、納得することも
必要ですね。

信頼できる第三者、専門家の意見を
聞くことも必要です。

誰も失敗の責任は取ってくれませんから。

税理士 松井敬ニ

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2015年8月17日


一つの情報だけで判断した悲しい結末/住宅取得資金贈与の落とし穴


こんにちは、松井敬二です。

帰省されている方も
多いことと思います。
こういう機会に
少しだけ相続について
考えるのもよいのではないでしょうか?

朝顔150814

相続というものは
多額のお金が動くことも多いですね。

これをチャンスと捉える
ビジネスもある訳です。

今年は相続税の改正があったため
色々な業者さんの「相続」の広告が
例年に増して多いです。

それはそれでよいのですが、
問題なのは
自社のビジネスに有利な情報しか
提供しない会社もあるということです。

今回は一つの情報だけを
信用した結果、
思わぬ結末を迎えてしまった
事例を 書かせて頂きます。

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【 一つの情報だけで判断してしまった悲しい結末/住宅取得資金贈与の落とし穴 】

夫に先立たれた母親と
適齢期を迎える年となっている
子供二人の家族の話です。

母親は、
夫と始めた飲食店を経営し、
夫に先立たれた後も独りで切り盛りし、
都心に住宅を構えるなど、
相続税が気になる程度の
財を残したのです。

そんなある日、
適齢期を迎えた子供の一人が
結婚することになり、
それを機に新居を購入する話となり、
母親に資金援助の相談があったのです。

しかし、
子供に資金援助をすれば
贈与税が掛かるのではないかと
不安を抱えていたときに

「住宅取得資金贈与をすれば、
相続税の節税になる。」

という住宅メーカーの広告を
目にしたのです。

そこで、
母親は子供とともに
住宅メーカーに行き、
住宅取得資金贈与と
相続税の節税についての
説明を聞き、

子供への資金援助を決め、
住宅を購入することになったのです。

その後、
もう一人の子供も結婚することに
なったのですが、
その子は母親が
独り暮らしになるからと
同居するつもりでいたのです。

しかし、
母親から
「同居は私が年老いてからでいいよ。」
「それに相続税の節税にもなるのだから」

と、またしても資金援助を行い、
新居を購入することにしたのです。

このようにして
子供達を独立させた母親は、
御役ごめんとばかりに店をたたみ、
余生を気ままに送ろうとしていた矢先に
今までの疲れがたまったのか
病に伏し、
あっけなく帰らぬ人となってしまったのです。

さて、悲劇は何処で起きたのでしょうか。

それは、母親亡き後に
相続人である子供達が
相続税の相談をした
税理士からの
思わぬ一言に愕然としたのです。

「お二人とも持ち家にお住まいなのですね。」
「せめて、どちらかお一人でも
母親と同居していれば
相続税は掛からなかったのにね。」

そうなのです。
実は、相続財産を計算する場合、
亡くなった方の敷地(土地)の
評価額を 80%減額できるという
「小規模宅地の特例」
という制度があるのです。

この制度は、
簡単にいうと
自宅敷地(土地)の評価額が
1億円の場合であれば、
その80%を減額できる
というものです。

つまり、
税金の対象となるのは
残りの2千万円分だけという
とても大きな特例なのです。

ただし、
この特例が使える条件の一つに
「持ち家の無い相続人が
親の自宅を相続する場合に
適用できる」
というものがあるのです。

既にお気付きですよね。
相続人である二人の子供達には
それぞれ持ち家があるのです。

したがって、
この特例を使うことが できなかったのです。

そのために、
子供達は相続税の負担を
することになったのです。

更には、
残された母親の自宅(実家)は
空き家となり、
その維持、管理といった
負担がのしかかることになってしまった
ことは いうまでもありません。

この事例から学ぶべき教訓は、
いろいろな税の制度について、
その時点で有利な情報のみに
注目してしまうことの危険性です。

狭い視野で制度の良いとこ取りをして
失敗してしまうことが
非常に多いのです。

と言いましても
相続というものは
一生のうちに
何度も経験するものでは ありません。

いくら本を読み込んでも
業者さんの無料相談で
相談しても
正確な判断をすることは
なかなか難しいものです。

相続について家族皆で話し合い、
そして相続の専門家に
相談するのがベストだと
私は思います。

業者さんも、
無料相談の相談員も
誰も失敗の責任は取ってくれませんから。

そして専門家に相談する際は
自称専門家にはご注意下さいね。

国家資格を持っているからといって
必ずしも相続に精通しているという
保証はありません。

なかなか分かって頂けないのですが
相続というものは とても複雑で
奥の深いものなのです。

5年、10年で専門家になることなど
不可能だと私は思っています。

尚、有料、無料に関わらず
相続税について
個別相談に応じることが出来るのは
税理士だけです。

税理士法に触れる行為が
横行していますので ご注意下さい。

相続税がかかる、かからないかに関わらず
相続については
兎に角 相続を熟知している専門家に
相談することをお勧めします。

税理士 松井敬二

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2015年8月14日


いい加減な情報を信じた悲しい結末/生前贈与の落とし穴


こんにちは、 松井敬二です。

毎日暑い日が続いていますね。
特に今年は、例年にない暑さのようです。

今週はお盆週間。
故郷へ帰省される方も多いと思います。

風鈴150813a

さて、今年は相続税の問題も
例年と大きく様変わり、
特に今年、新盆を迎えるご家族の中には、
例年と違う思いがあるかもしれませんね。

最近、この相続税問題に関しては、
マスコミやネットにより、
誰もが相続税の対象となるかのような
過剰な情報が氾濫しているように
感じられます。

さらには、
「生前贈与」
「賃貸住宅の取得」など、

いったい誰を対象にしたものか分からない
節税策と銘打つ目を覆うばかりの
売り込み合戦。

はたして本当に効果があるのかと
疑問を抱くものばかりです。

事実、このような情報を真に受けて
対策を行った結果、
寂しい末路を迎えることとなったご遺族を
私は沢山見てきました。

いい加減な情報を信じてしまって
悲しい結末にならないように
事例を紹介いたします。

 

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【 いい加減な情報を信じた悲しい結末/生前贈与の落とし穴 】

 

郊外の持ち家に住む老夫婦の話です。

子供は2人で既にそれぞれ世帯を持ち、
お孫さんもいるごく普通の家族です。

この老夫婦は年金暮らしで
現役時代の蓄えもあり、
何より健康が自慢の夫婦でした。

そんなある日、
相続税に関する無料セミナーに参加し、
『子供達に生前に贈与すれば 相続税が節税出来ます。』
といった話を聞き、
節税出来るならと
さらに無料相談まで申込み、
その時点では良い話を聞いたと
満足していたのです。

無料という響きにも つい釣られたのでしょう。
これが寂しい末路に向かう始まりとも知らずに。

そして早速、
子供や孫達にせっせと贈与を始めたのです。

ところが、ある日、
夫が脳梗塞で倒れ、
一命は取り留めたものの、
介護を要する身となってしまったのです。

初めは、妻が世話をしていましたが、
その妻も高齢のため、
限界を超え、
やむなく施設の世話にならざるを
得ない状況となってしまったのです。

当然のことながら、
今後はそれなりの費用が必要となります。

初めのうちは蓄えで賄えていたのですが、
すぐに資金不足となってしまったのです。

それもそのはず、
既に結構な金額を子供や孫達に
贈与していたからです。

しかし、夫の介護を止めることもできず、
ましてや子供達に贈与したものを
返せなどと言える訳もなく、
苦肉の策として
自宅を売却し、
妻はアパート暮らしをすることとなったのです。

子供達はそんな両親に
精神的な支援は惜しまないものの、
経済的な面での支援は出来る状況では
なかったのです。

なぜなら、
既に受けた贈与分は ローンの繰上返済や
生活費、
教育費に
使っていたからなのです。

その後、残念ながら、
夫は帰らぬ人となり、
結局、持ち家まで失うという
寂しい末路となってしまったのです。

ちなみに、この老夫婦、
そもそも生前贈与などしなくても
相続税の対象とならなかったのです。

この事例から学ぶべき教訓は、
自分の財産がどれだけあるのかを
しっかり把握しておくことが
大切だということです。

そして相続税の心配があるのかを
正しく判断していればよかったのです。

子どもたちも
この時点で贈与を受けなくても
それはそれで困りはしなかったと思うのです。

そして、子供さん達への
上手な生活援助の方法は
専門知識があれば
色々あるのです。

財産の大まかな把握は
少し勉強すれば 難しくはありません。

しかし少しでも不安があるなら、
信用出来る専門家に相談するのが一番です。

相続税の相談は元より
「相続」そのものを
専門家に相談すべきだと
私は思います。

しかし、くれぐれも
自称専門家にはご注意下さい。

国家資格を持っているからといって
必ずしも相続の専門家という訳ではないことが
また難しいところです。

なかなか分かって頂けないのですが
相続というものは とても複雑で
奥の深いものなのです。

5年や10年の勉強、経験で専門家になることなど
不可能だと私は思っています。

詳しくはこのブログで書いて参りますね。

税理士 松井敬二

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2015年8月13日