『後悔しない相続』 お盆シリーズ/親族との争いを避けるには

『後悔しない相続』 お盆シリーズ

今回は相続で揉めない方法、
親族との争いを避ける方法についてです。

suika

先日の台風11号。
一部報道で、
今回の台風11号に備え、
事前に避難をしたことにより、
甚大なる被害を避けることが出来た
介護施設が紹介されていました。

施設の関係者の話では、
「過去の経験から、
最悪の事態も想定して
避難の準備を行っている」

とのコメントがありました。
実際、これは中々出来ることではありませんね。

実は、「相続」という問題も、
事前に対策ができていれば、
最悪の事態を避けることが出来るものなのです。

そこで今回は、
「相続」で揉めるという事態が
どうして起きてしまうのか?

その要因についてお話してみます。

この「相続」という問題で、
揉める最大の要因には
二つの「カンジョウ」にあります。

一つはお金にまつわる「勘定」です。
そして、もう一つが気持ちの「感情」です。

そもそも「相続」というのは、
自分以外の親族が築いた財産を
承継するというものです。

その承継者が一人ならば、
特に問題はないのでしょうが、
殆どの場合、2人、3人あるいは、4人と
複数人います。

「相続」というのは、
財産の分割ですから、
まさに「勘定」論となります。

この「勘定」も中々厄介ですが、
何とかなる場合も多いです。

一方、もう一つのいろいろな思いから来る、
気持ちの「感情」論、
これは中々手ごわいもので、
大変難しい問題です。

実例をお話します。
母親は既に他界し、
父親が長男家族と同居しており、
長女と次女はそれぞれの自宅に
家族と住んでおりました。

父親が亡くなった後、
長男から一方的に
「自宅を含む不動産は全て自分が相続する。
お前たち(長女、次女)は
預金の一部をやるから
判を付け。
これ以上を望むなら
人を立てて来い」
と言われ、全く話合いができませんでした。

その結果、遺産分割は調停となり、
結末としては、
長男の主張はことごとく退かれ、
長女と次女にしかるべき金銭を
支払うこととなりました。

この事案の揉めた要因は、
実に単純なことで、
悲しいかな毎年「お盆」と「正月」に
長女と次女が家族を伴って帰省していたことに
長男夫婦(というより、長男の妻)が
不満を持っていたためだったのです。

長男の言い分は
「親の面倒を見ていたのは自分達だ」
さらに
「お盆と正月は自分達にだってあるんだから、
迷惑だ。
今まで帰省した分の飲食代と宿泊費を
弁償しろ」
と弁護士も頭を抱える主張でした。

しかし、実は亡くなった父親は、
同居とは言っても、
同じ敷地の別棟に一人で生活しており、
経済的にも不自由なく、
むしろ世話になっていたのは
長男夫婦の方だったのです。

このように、
人の思いの「感情」は、
一度表に出ると
中々解決できるものではありません。

しかし、この事案、
もし長男が二人の妹と話し合いの場を設け、
自分の立場を伝えて、
理解を求めていれば、
また違った解決方法になっていたのでは
ないでしょうか。

この事例に
「そんなことがあるんだ!」
と、他人ごとのように感じる方が
多いとは思います。

しかしこの事例の当事者も
「まさかこんなことになるとは!」
と思っていたに違いありませんね。

大切なことは、
「勘定」と「感情」は程々にして、
欲を言わずに十分話し合うことです。

そして、話合いは、
できる限り相続人だけで行うようにしてください。

特に相続人の配偶者などが同席している
場合などは、
よろしくない状態となりかねません。

最後に、相続に関する話し合いは、
相続が起きる前が望ましいです。

揉めない方々の殆どが、
事前の話し合いや意思の疎通が
十分できているものです。

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